これはタミヤ製キット1/35「三号突撃砲G型」です。
すっごく古いキット。30年ものの風格。
でも正面の装甲のボルトのモールドとかフェンダーのいぼいぼとかキレイに再現されているのは、今でも感動のクオリティ。
ハナシは唐突に飛びますが、昨日テレビ朝日で「決定!史上最強アニメランキングベスト100」という番組がやってました。
途中からみてたんですけど、【カードキャプターさくら】は見事に50位以内にはいってませんでした。ネットワーク規模からして民放のあたまを抑える半国営放送。この支持の少なさは僕の造型に影響を与えるかどうかは別として・・・まぁ、僕の場合アニメ終わって何年かして下火になってから作りはじめたんですから、あんまり気になりませんがね。
そんななかで「強えぇ」と感じたのは「宇宙戦艦ヤマト」です。しかも支持層は30代・40代、TV見てて一瞬笑いました。見事なオヤジ向けっていう作品。この年代は「義理堅い」というのもあるかもしれませんが、この年齢に到達してなお、アニメ・模型原理主義を唱える人々にとっては忘れてはならない作品なんでしょう!昭和30年代後半から40年代生まれの人々がこよなく愛する作品、それが「ヤマト」なのでしょう。時代同じくするこのキットも見事な骨董品です。彼らが子供の頃、若いころにお世話になったキットです。
最近プラモ市場がとってもよくない方向に流れてる気がする。「ディテールこだわり派」というまがいものモデラーを増産している。本当に拘って作ればいい!大半なんてものではなく、ほとんどが作っていない。キットは部屋にほこりかぶってしまい、模型屋も「つくってくれなくても、次の商品買ってくれればいいのさ」位のスタンスでいる。
僕が昔通っていた模型屋の店主はハッキリもの言う店主だった。
「ウッチー君はどうせ買ってもつくらないんだから、そこらへんにあるアニメージでも買っていって」と客にストレートに言ってしまう。本来商売としてみた場合、少しでも高い商品を定価で売りたい、たとえ買うものが作ろうが作るまいがどっちでもいいことなのだが、実際ドラゴンのキットとかMGガンダムなんて何人が完成させてるんだろう?と思ってしまう。パーツ数がべらぼうに多く、完成させるのに精神力と持続力を要するキット。こんなもんが増え続けたら、模型市場にとってカンフル剤にしかならず、半年一年後にはだれも作らなくなってしまう。消費されず、生産が続く商品はとっくに飽和点に達している。これをしのいでいるのはおもちゃ流通のしくみで小売店のリスクで成立している。
パーツを細かく、多くして、同じ樹脂の使用量でより高く売ろうとする試みは悪いとは思わない。ただ「作りにくい」ものをどんどん増やしていくことには疑問を感じる。
難しいと思われるキットを「購入」するだけで満足させてしまう文化と、完成品で満足してしまう文化には何か悲しいものを感じてしまう。「つくる」部分がちっともありゃせん。
普通につくってもカタチになるところがプラモデルのよいトコなんだ。
ディテール拘るなら、パテ・プラバン・金属加工してつくればいいじゃん。
出来合いのエッヂングパーツ買うのは時間短縮なのかな?スキル不足補う為に買ったのかな?
どっちにしろ作る為に買ったはず。何故つくらない・・・・
作らないなら、パーツのディテールに何の意味がある。


格闘家と格闘技評論家はちがう。「拳で語る」のと「拳について口や文字で語る」のは違う。同じようにモデラーとkitウンチク野郎もちがうんだ。
まず「作れ」、そうしないと
近所の模型屋はどんどんなくなるぞ!
模型屋が無くなると広告収入でもってる模型出版物は大打撃だ。
デフレスパイラルなんて目じゃない、スタグフレーションスパイラルになってしまう。

プラモ売れない→模型屋つぶれる→販売網減少→販売数減少→値上げ→販売数減少→模型屋つぶれる。
模型雑誌だって広告収入が減少すると価格に反映するか内容薄めるしか手立てがない。



プラモとは何だろう?
つくる為に存在するものではないのだろうか?
たとえ完成させることができないにしても、本当に少量しか生産されないモノや、販売機会が限定されているもの以外は、つくらない人にとっては「模型屋」に置いておいてもさほど害はない。家においておいたほうが部屋が狭くなって問題。
ただ、なんとなく衝動買いして、そのままつくらないのは、、、、僕もある。ランナーからパーツをはずし、しばらく放置。そんなキットもある。
押入れに放置されたままのキットにもう一度目を向けてみましょう。
昔のキットは簡単につくれます。そのキットがあった場所があけば、もう一個そこにキットが配置できます。模型メーカーも模型出版社も模型屋も、一個のキットを売る為だけでなく、この蓄積されたキットをかたづけさせることにも注力し、あいたスペースに一個おいてもらうようにしましょう。




最後に、
実はこのキット完成させたのは夏WF前なんです。
いろ〜んなことあったりなかったり(←どっちやねん)
そんな訳で今日のっけました。
昔のキットもいいぞ!パーツ少ないから作りやすい。

平成17年9月23日 たけ