これはりざあ堂製キット1/10「キャロット」です。
(カードキャプターさくら:木之本桜)

何故今頃になってこんなものをアップしたか?
それはつくったからです。
では何故今頃つくったのか?決して夏のワンフェスに行けなかった【代償行動】ではありません。
このキャロットは夏のワンフェス前につくりはじめたものです。とんでもない不幸に見舞われた僕は夏のワンフェスに参加できませんでしたが、これはその直前につくったものです(何度でもいわせておくれ)。
実はこのキャロット3作目です。一番最初につくったのは適当に塗装した究極限度見本。ひどいことに2個100円の木製コースターに木ねじで固定(ねじ山見えてるし)。次につくったのは背景にんじんを何本もおいた【ジオラマ仕様】。実はこの二つイベント展示の為の搬送という概念をまったく考慮してないトンデモ〜な状態。なにせ真鍮の芯を打っていない。コースター仕様はやたらもろい、ジオラマ仕様はやたらデカい。その搬送・展示を考慮して夏に投入しようと作したのが、コレです。

結局夏には間に合わず、夏のキャロットは写真展示のみで販売実施!購入してくださった方ありがとうございました。勇気必要だったと思います。
冬のワールドホビーでは【カードキャプターさくら】自体の販売許諾がでず、完成は間に合ったものの展示を断念。事務局は「展示はいいですよ〜」って話だったんですが、実際その許可はでていないようなので展示はしませんでした。去年のGWにもキャロットは展示・販売を行っていない。
よく考えるとこの二月のワンフェスが一年ぶりのお目見えとなる。なんか久しぶりです。

・核兵器
・俺のヤるコト
・連座制

突拍子もなく三つの項目をあげてみた。

まず【核兵器】。
さくらちゃんのパンツは撮影禁止の前に造型禁止です。
禁止・・・・風説ととらえていただいても問題ない。ないが、、、「禁止」なのだ。
かぼちゃパンツと水着とスパッツ、キュロットは許される。(オーバーパンツは可)
したがって、りざあ堂の「さくら」キットにはパンツは存在しない。

「本当にないのか?」

それはシーバットの核兵器有無と同じ。「存在しない」とだけ申し上げておこう。
核兵器はその脅威としてのみ効果を発揮する。
パンツも同じである、スカートから出た2本の足、そのうちももの奥に存在するであろうということで威力を発揮する。実際にパンツが存在するかしないかは問題ではない。
「禁止」を風説と捉えればパンツは存在する可能性もでてくる。風説でなく事実であったと捉えてもパンツの存在は否定できない。きりがない。
だが、パンツとはそれほど重要なのであろうか?
強烈なコトを言えば、パンツぐらい僕も毎日はいている。さくらの原型をつくっている時もはいている。君のおっかさんもはいている。もうげんなりでしょ?まだ足りない?君もはいてるでしょ今。
パンツとはその程度のもの。
パンツとは表から見えない、それでいて、ひらひらスカートからとびでた足の奥をイメージすることによって成立する。人はパンツをはいた猿。はく者とはかぬ者でイマジネーションの能力がまったくことなる。パンツとはその存在を信じる者のイマジネーションのウチにある時が一番美しく価値あるものである。

もう一度。「りざあ堂のさくらキットにパンツは存在しないのか?」

答えは「信じる者の心の中にのみ存在する。」

存在しないと仮定する。

どうする?

この答えも簡単だ。「自分で作ればいい。」

ほっすぅいが以前購入したキットで大きい気泡にパテがつめてあったものがあったらしい。
うたい文句としては、「モデラーの負担軽減」だそうだ。
ほっすぅいはコレに不満をしめした。
「パテ埋めるのは買ったオレのやることだ!」
まったくもってごもっとも。しかもそんなNG品を再生するなとか不満を述べるでもなく、オレのやるコトと言い切ってしまうところが男らしいし、好感もてる。
「オレのやるコト」が残っているのがキットの存在意義。塗装されたソフビ・塩ビ素材のものにどれだけ購入者の意図が反映できるか?その意図とは購入者の理想であるはず。
もしその理想に「パンツ」という項目が存在するならば黙って自分で突き進むべし。
存在しないのであれば、原型をつくったものすら踏み込めなかった、そこは自分だけの「絶対領域」となる。キットとはもともと不完全なる存在。そのキットに自分の理想を送り込んで完成にいたる。
塗装も接着も「不完全なるもの」を理想に寄せ具現化する行為。マテリアライジングする人とリアライジングする人の分業によってキットは存在する。

最後に残ったのが「連座制」
すぎやんにいわせれば「五人組制」ってやつ。
一部モノの犯罪を全体責任とする慣習。
「パンツ」も連座制の対象。認められないからにはしょうがない領域。
我々が課せられた連座制。
たった一人でも違反者がいると、シメつけは厳しくなる。
核拡散防止条約違反って感じです。
突拍子もなくあげた三つの行き着く先は。
「ローアングル撮影の禁止」。
たった一人の違反でも、連座制とする。秩序のピラミッド。
各人のモラルに期待するのはほぼ愚考。
連座制は愚行の防御として非常に有効である。
出版社や購入者はそのような愚行に走らない。屁理屈でも不思議でもなんでもなく、統計。
それに「作る為」や「仕事」という撮影を制限する理由はまったくない。用途はハッキリしている。
一般撮影者の撮影を全面開放にしても、一部開放にしても「ローアングル」敢行してくるモノは確実に存在する。これも統計。統計ついでに、この【キャロット】をローアングル撮影した人はいません。
はてさてなんでなんでしょう?

村社会日本人に有効なのは連座制。


水栽培背景

マスタードの種(粒マスタード)を水栽培してつくったのがこの背景。
この撮影のあとに、刻んで「チャーハンの具」にしました。
食べるガレージキット模型というのも珍しい。(注:本体はたべられません。誤って口にいれないように。対象年齢40歳以上・・・・◇×△■?#△×$&!)
実践してみて思ったコト・・・・なんか別の機会でキットに種を同梱してみたいゾ!
すぎやんに譲渡した原型はなぜかギミックの対象とされます。実行にうつされたことはありませんが、湯のみを運んでくる人形のような伝統芸に等しいものすら立案されていました。鳩時計の鳩にされそうになったものや、レールの上をぐるぐる走るとか、卒倒しそうなアイデア満載です。
構造的・物理的に無理とか、あまりにも馬鹿っぽいので僕が協力を惜しんで挫折したものがほとんどです。
紙にイメージを描いただけでは完成しません。壮大なプランも実行されなければ机上の空論。
キットの発展形は自己完結で実行あるのみ!アイデアを実現するのは模型の場合「自分」であるべきです。今回は背景にしてしまいましたが、本当は鉢植えにしてみたかった。ヴィネットとしての完成形。
出窓に鉢植えさくら・・・・模型ではなくインテリアとして部屋を飾るさくらちゃん。
馬鹿と思われるかもしれないコラボレーションを考えるのは僕もすぎやんも同じです。

平成18年2月1日 たけ