1/35scale 畑ちゃん(081)
2015年冬たぬきコンセプトモデル

1/35scale 九五式軽戦車(ハ号車)

ロケ地:近所の公園と近所の桜並木(川崎市)とふぐずま県



【Type95 ”Ha-Go”】
この畑ちゃんは、たぬきさんのリクエストで最初に作ったモデルとなります。
T26はノーリクエストだったのです。

で、たぬきさんのハ号車乗員に対するリクエストは「勇ましい」でした。
この勇ましいに対する僕の解釈はバカ面の源「にぱ口」をやめる。
歯をくいしばって「いー」の口にすること、これが造型部分で、塗装については眉を下げない。

オニギリ食べてるときはしない手袋。
応援団の白い手袋はなにか映える。多分コントラストだと思うのだが、あの白い手がちゃっちゃと動くと意識がそこにひっぱられる。
清廉潔白の言葉に含まれる白、そこに悪意はない。それどころかなにもない。死に装束も「白」、日本人の白に対するイメージというものがあるのだろう。その何にも染まってない白というのは米からくるのか塩からくるのか、はたまた陽射しか雪か。

「白い手袋」これはおにぎりを食べていないばーじょんが成立するなら「いつかやってみたかったもの」でした。
今回しか、白い手袋着用できないかも、やっちゃお。
「勇ましい」という条件にオニギリ食べながら突撃はないw


車長が砲塔から乗り出して、突撃を命じたら誰は砲を撃つんだ?という疑問がわいてくるが、そこが勇ましさでバカっぽさ。
もう、車長は興奮の真っただ中で、突撃命令の次に、自分だけハッチから飛び降りて、抜刀突撃してしまうんではなかろうか?

武装親衛隊が「オラオラ」のなではなく、日本の戦車兵(戦車長)が「オラオラ」
日本戦車に火力はなくとも、戦車長の視線にレーザー光線が含まれていたら、一瞬で一個分隊はけせる火力があるだろう。

よくネタにされるが、皇軍も自衛隊の戦車も止まらない。われ先にと進む。「パンツァー・フォー」なんて言葉が出回る前から、前へ前へ止まらない。
「トマレ」の命令を聞かない、聞こえない、自衛隊戦車を止めるのは「次の命令を待て」という指示。
下知がくだれば、再突進、それまで士気を溜めている。(がるるるる状態)

三つから選んでもらった頭部形状。
・ヘルメット・ゴーグルつき(この状態を撮影して送った)
・ヘルメットなし、ゴーグルつき
・ヘルメット・ゴーグルなし
たぬきさんの選択はメットなしのゴーグルつき。
いまとなっては聞きようがないが、多分そこがたぬきさんの「勇ましい」という解釈だったのでしょう。

着衣はおにぎり田中のものとは違った、九八式軍衣です。それまでのものと立ち襟(詰襟)から折り襟(Yしゃつみたな感じ)に変更され、上着すそにポケットがあるのが特徴。(おにぎり田中は将校用作業衣袴と呼ばれるもの)
別に軍服の変更要請はなかったけど、作業着で突撃はなかろう。勝手に解釈。

【桜が似合う】
冬モデルだったので、続く春にさくらで撮影。
ただ、ロケというのは天候まかせと要素がふんだんに含まれていて。特に桜の頃は、「桜チラシの雨」と「曇り」との戦いにはことかかない。

一週間前に「だいたいここら辺で、このアングルで撮影すればいいな」と思って下見して被写体なしで撮影しておいても、天気が味方してくれなかったりするのです。


【おしりにマップケース】
タミヤのチハ(57mm)には搭乗員用のデコパーツ(デコとかいうなw)がふんだんについてますが、はいんもーるどのハ号車には搭乗員パーツが一切ついていない。そりゃそうだろう搭乗員がついてこないんだからw

チハデコパーツはチハ乗員で使ってしまったし、何もなしってのも寂しいしのでマップケースだけモールドした。
「のもんはん?地図?ないけど大丈夫大丈夫」みたいな世界では一番縁遠いパーツ。
地図は重要な戦略物資です。地図がなければ、地域の観光ガイドでもいい。ノモンハンのはないけれど。

とはいっても、これはノモンハンモデルではなく、中国戦線モデル。だから畑ちゃん。北満型が支給されていたら、名前は安岡ちゃんになっていたでしょう。車両にあわせて、時期にあわせて、戦域にあわせて、服装や名前(将軍の名前から)はきまります。



【ふる・ぶるーむ本日満開ワタシ∞】
「海ゆかば」という曲の歌詞から、米軍は日本兵の思考を理解したという。


桜はおもってるより白い。勇ましい日本兵に白い桜。

散る桜 残る桜も 散る桜
辞世の句としては、僕は最良に思う。
人はいずれみな死ぬ、早いか遅いか。

【やせがえる負けるな一茶ここにあり】
カエルはいいさ、しかし、これは、どうなのよ?って句だな。本当か本当なのか?これ小林一茶なのとちょっと疑ってしまう。

種田山頭火
「おちついて死ねそうな草萌ゆる」

いまの「萌」という意味とあきらかにちがう。
もえもえで、きゅん死というなら完全合致だが、その対象が違う。草できゅん死と、可愛いできゅん死はかなり違う。

これは桜の頃よりずっとあとに、福島で撮影。
「勇ましいハ号車」はどうやっても「死」にひっぱられる。
本来兵は死ととなりあわせ。死に一番近く、「死なない、生き残るすべ」をたたきこまれている存在。

だからって草むらで「死」をイメージするかなw
しかし、いま改めてみても、草の淡い緑のひかりが飛び跳ねてる。
被写体にその光がまんべんなく当たってる。
のんきにオニギリたべてるのは、それはそれでいいのだが、「勇ましさ」という漠然としたリクエストで今までと違ったモデルになった。
自分の考え方では多分でてこなかったモデル。
こういういのがあってもいい。
それが初のたぬきコンセプトモデルでした。

戦果?大勝利でした。
いままでにりざあ堂にないタイプだったのは大きかったと思います。


平成30年2月5日たけちよ記