これはタミヤ製「SU122」です。
キット製作期間はやっぱりまる1日です。

昨年秋に新宿ヨドバシでT-34/76 42年型と一緒に購入。
年末で周囲の皆々様が帰省や、家族と過ごすなか、一人孤独に「戦車つくりたい!」と思った僕はキットをみつけ箱とにらめっこ・・・
その頃僕は周囲に「電撃模型道」なるものを提案しておりました。
一ヶ月、二ヶ月とひとつのキットに情熱を傾け、完成させることのできる人はスバラシイ!いろんな理想を心に描き製作に着手する。「あんなことしたい、こんなことしたい・・・・」そう考え、箱をあけ、袋をやぶり、ニッパーをいれる。これはモデラーにとって歯磨きや髭剃りと同じ「日常」の行為であり、あるいは呼吸や食事、睡眠と同じ生活のプログラムに等しい行為なのでしょう・・・きっと。
模型雑誌をみていると「これならできるかな?」「これ以上にできるな」と思いながら製作に着手してるはずです。
しかし、意外とできないもんです。雑誌にのってるやたらウメぇモデラーが莫大な時間を費やして作るモノと、普通の人である「自分」がつくるモノの差が、製作途中で認識できてしまい、自分の理想と現実のはざまで悶絶状態に陥ることたびたび。このページを見ていて覚えのある方いらっしゃると思います。
昨年新宿イエサブにふと立ち寄った際に展示されていた、ウォーターラインとおぼしき米軍空母を見た際に、作った人の「入れ込み様」を感じました。
一見、「第二次大戦の米軍空母だなぁ」と思いみていました。展示作品に近寄ってみると、「あれ?飛行機多くない?」と思いさらに近づいてみると、飛行甲板に二百機位艦載機が鎮座してるではないですか・・・シロウトがやりすぎなんだよ!って思いながらさらに接近。
甲板に並んでいる艦載機は羽はたたまれて、きちんと露天係止状態。一機一機がキャノピーが透明でアンテナが出ていて、車輪までつくりこんだあげく、美しく塗装されている。1cmチョイの世界になんてものを再現しているんだろう。側舷に目をやると、飛行甲板下層の格納庫にも同様に艦載機が配置されている。
30cmの空母の甲板のすべてに艦載機を配置し、見えてる部分だけだとしても格納庫に艦載機を配置・・・この一隻にいったい何機るんでいるのだろう?と思いながらも数えられませんでした。数えることも「苦痛」な数、それを作る・・・・・ってどうゆうこと?
技術と情熱によってつくられたモノに間違いなく、「ヤリすぎ」とも思える艦載機の数は現実を越えた「米軍空母」のイメージを植え付けられました。文章で伝える、絵でつたえる、写真で伝える。いろんな表現手法がありますが、立体造形はとてもわかりやすく。見る人にイメージを植え付けます。

帰宅後もそのイメージは鮮烈で、自分がその作品に近寄っていって、納得して、カンネンしてしまうプロセスを思い出してしまう程でした。
アレをつくろうと思って・・・・「技術的に不可能か?」
多分できる。
ただし、作ろうとしたら一年の歳月を費やす。つまり僕にアレをつくることは不可能なんです。
ひとつのキットにそこまで情熱が続かない。
そこで、自分のなかの「模型」とは何かを考えるようになりました。
仕事を持っている人、扶養家族をかかえたお父さんは模型をつくっちゃいかんのか?俺の模型とは「フィギュアの原型」だけなのか?
「一日くらい」なら時間的にも用意できるし、根気も続く、数をこなせば、要領もよくなり、技術も向上する。
段取りしておいて、一気呵成に目的地に進むことを主眼とし、途中に残された敵部隊など放置!アルデンヌの森を突破し目指すはパリ(アントワープも可)
そんな模型の作り方があってもいいように思え、
「レッツワンデイモデリング」を合言葉に周囲に
「電撃模型道」
を唱え、最初に作ったのがこの「SU122」です。
やのっち、じゅにわくん、すぎやんの参戦を期待。
でろんでろんと駄文掲載すいません。
さてさて、なぜSU122を選んだかですが、答えはなんとなく好きだからです。
SU85、SU100と同じようなデザインでありながらあきらかに違う「何か」があるんです。ボディはT34であることは一目瞭然。SU85やSU100は対戦車砲の自走砲。こいつは榴弾砲の自走砲。122mmという大口径砲を搭載しながらもその砲は23口径で射程も短く、貫通力も低い。旋回砲塔ももたず、そのイノシシっぷりが「漢の戦車」をイメージさせる。
キットの出来は非常によく、エッジがパリっと仕上がっており、フェンダーやタンクのヘコミもいい感じです。ボルトの再現も素敵です。キット全面に鋳造感を持たせる為に溶きパテを筆でチョンチョンし下地をグレーに統一し、影になる部分に本当に濃いグリーンをブラシ塗装し、ロシアングリーンを次に吹き、その中間色でシメてます。
1月2日の夜にはじめ、1月3日の夜にはしあがりました。睡眠はたっぷり8時間以上とりましたし、お返事年賀状も書くことできました。独逸戦車は転輪が多いのでワンデイにはむかんですが、ロシア戦車はそういった面でもワンデイ向きです。
平成16年1月27日記