これはりざあ堂製レジンキャストキット「キャロット」です。(フルスクラッチビルド)
キット製作期間は1日です。

左の写真は複製一体目に抜いたものからつくりました。百円均一で売っているコースターに豪快に木ネジでとめてます。右足の裏のあたりをジッと見ると、銀色のネジ見えてきます。型が起きて、複製があがるともはや壱モデラーです。じっくりつくり込む「大人モデラー」ではなく、自転車の荷台にキットをくくりつけて帰ってきて、手もあらわず、うがいもせず、キットの箱をあけ、ビニールをやぶってしまうタイプの「子供モデラー」です。
パーティングラインを600番の耐水ペーパーで馴らし、ほのかな気泡は指先に灰色のタミヤパテをつけコスコス・・・800番とコンパウンドで磨いたら、下地の白をいきなりブラシでふきました。
そして本塗装の白。塗料はなにもかわりません。わざわざ言う意味があるのかないのかは不明です。うさぎ手袋の指先の爪がチョンとでてるのがなにげにお気に入り、複製してて一番うれしかったのはこの爪先が全部きれいにでていることでした。
でも自分で一番気に入っているのはにのうでから背中のライン。
これもCLAMP先生のイラストをもとに原型を作成しております。パンツが見えそうなフリフリの服やアニメで出てくるバトルコスチュームでもいいものはあると思うんですが、黒いイメージの「ムーンライト」を作ったあとだったので白くて「ほんわか」したものがつくりたかった。
造型するときに「やべえぇなぁ」とおもったのが人参のはっぱです。
人参のはっぱはパセリのはっぱがスーっと伸びたような形状ですが、元イラストはそのイガイガ感がなく、ほんわかしてます。
正直これはマズイと思いました。まんまつくるとヤバイほど人参のはっぱにならない、しかもエッジをたたせようものなら気泡の温床となることは必定!
そして元イラストのイメージを残しつつ気泡対策を考慮しつつ造型してみると・・・
見事にブロッコリー。
ウサギ、人参、ブロッコリー、カボチャ(パンツ)って・・・コレ、シチューじゃん!

初回抜き分は素組。
右の写真は二作目に作ったものです。人参のはっぱパーツはつかわずに造花の鉢植えはっぱを発見したのでそれをつかいました。
塩ビ製だったので瞬間接着剤がつかえず苦労しました。ライターであぶってペンチでくっつけるというあらわざです。昔ウォーターラインシリーズを組み立てるときにランナーをろうそくであぶって線をつくっていたの思い出しました。さて同じものを二つつくる訳ですから今度は「よりイラストに近づけたい」という願望がわいてきます。ご覧になった方はわかるとおもいますが、人参畑にさくらちゃんが人参もって走っている「情景」です。目指すは小さいジオラマ(ヴィネット)です。
まずは背景になる人参の栽培(造型)です。肌自慢を大量投入して一個一個丹念につくっていきます。角度をイメージし、標準サイズ四個と特大サイズ一個をつくります。人参がテカっと光るまで磨くのは結構たのしかったです。1/10という小さなスケールならでは楽しめるアニキャラジオラマ。もっとちさくてもいいんでしょうが、これ以上小さいと目いれができません、すくなくとも僕には無理、元々フィギュア塗装はウマクないっていうか下手な部類なんで、正直塗装できるのはこれが限界です。

そして完成したのが上の写真です。
ジオラマベースは相当悩みました。問題は「土」をどう処理するかでした。
ヨドバシの鉄道模型コーナーで石膏、発砲スチロール、パウダー、ぽわぽわ、海草・・・・ありとあらゆるものを買って、お店でもおうちでイメージしたんです。土をまんま再現すると、足跡が必要となります。足跡がつくということは足の裏は汚れるわけです。もしこれをやらないと、道理がとおりません!戦車ジオラマで言うと、ベースにキャタピラ跡がなかったり、キャタピラが妙にキレイだったりする状況です。
はてさてベースをどうするか?白くてかわいいイメージが損なわれる「戦場ジオラマ」ギリギリの世界です。それこそ人参にも泥つけなければならず、なんかおっソロしく汚くなってしまいそうで弱りました。
「ぽわぽわ」のイメージがくずれないことを念頭に一週間素材選びの旅をはじめました。
行き着いた先は「フェルト」でした。
メルヘンな世界とジオラマを共存させるベースってとても難しいです。

上の写真は昨日撮影したものです。前髪パーツの向かって左側の内側にパーティングラインが残っていたのを発見して急遽修正。おかげで新作天使のサンプルいまいち・・・・泣き言いってもはじまらない。
明日は楽しく過ごせるといいなぁ。年に二回しかない巨大模型屋さんが出現。確かに原型つくりますけど、僕もモデラーだからそわそわ落ち着きのない一日になることでしょう。一日じゃ全部みることはできない。入れ替えなしで2日間くらいやって欲しいと思うのは僕だけじゃないはずです。
平成16年8月28日 たけ