ご覧のさくらは、りざあ堂ラインナップでもお馴染みの1/6制服さくらです。
しかし、オヤ?あまり見かけない雰囲気だが....と思う方もいらっしゃると思います。だいぶ前になりますが、これは幻の「制服さくら 塗装byすぎやんバージョン」です。版権申請は毎回この写真を使用してますので、NHK・講談社・海洋堂・エスイーといった版権を管理してる方々はみているはずの写真です。photo11やイベント会場でみるものはたけぽんが製作したサンプルです。
以前、たけぽんが語った「自ら原型製作を要請した限り、キットは自らの手でつくらねばならん」と意味不明な言葉に納得してしまい、コレは私がやっちゃった一品です。
 今見ると、グラデーションとか、ぜーんぜん考えてませんでしたねぇ。版権申請のため期日までに、さくらちゃんに見えるようにする事がまず優先で、これでももう精一杯という感じで塗装してました。でもモールドとかウェーブみたいなもんとかが再現されてるのでベタ塗りでもフツーにみれたりするのが不思議。

私自身は造型りざあ堂リリース品の原型づくりは今の所やってません。(実験でやってみましたが、とてもご披露出来ないです)
基本的に、原型を作った人がイベント当日の完成見本の塗装までやるのが基本的なりざあ堂スタイル。と自分では位置づけてます。
 皆さんがイベントで見るりざあ堂の展示品は、原型を作った人が、それぞれ塗装までやってます。
元々、なぜりざあ堂は、「カードキャプターさくら」のさくらちゃんばっかりなのか?という疑問をお持ちの方も結構いらっしゃると思います。
さくら方面へ展開となった大きな要因は、私が言い出しっぺだという事です。

 たまたまある夜、スカパーでやっていた「劇場番〜封印されたカード」を見た私がさくらに思いっきりハマり、さくらってかわいいじゃん!これTVでやってたのか、それってどんな話だったんだろう?....と。
 その時は、まさか現在の様に再放送するとは思っていませんでしたが、レンタル屋へ行って連日借りまくり、毎日コツコツと2〜3週間で70話全部を見まくったのでした。
たけぽんは丁度その時、さくらじゃない別の作品のキャラをよそから××万円で受けて作っていました。
そこへ、単なるさくら好きの私が、たけぽんへ私財( ○○万円 )を投じた訳です。
「模型屋にも置いてある息の長い作品だし、ここは一つ新たなさくらフィギュアをぜひ。原型作って欲しいです。」とお話を持ちかけたところから始まったのです。決して唆されてやった訳ではありません。
世の中にはDVDボックスを全巻揃える人や、キャラグッズを片っ端から揃える人もいるでしょう。
しかし、好きなキャラの「原型を作ってもらおう」そして「自分でキットリリース」してみようというのは、我ながら実にコアな行為ではないかと思いますが、さくらに関して普通とちょっと一線違う方向でさくらを楽しんでみようと考えていたわけです。
 まずは過去のフィギュア傾向を色々と研究し、出ていないシチュエーションは何だろう?という事で、フィギュア化のテーマ選びからはじまりました。イベントへ行き、ムック本をあさり、ネットで検索。
 結果、たけぽんに頼んだのが、「友枝小体操服」と「TV版63話の水着」です。
あれ?その体操服は出てないねという方。いいところに気が付きました。実はこの制服さくらに化けてしまいましたのです。うーんやっぱりスパッツは、あまり広くは愛されないんじゃないかなぁ(笑)と思い、せっかく原型まで上がっていたのです、写真こそ残ってませんが帽子や帽子のツバまで作られていました。
たけぽんが勝手に改修しはじめ、みるみる間(誇張)に服装はおろかポーズまで変わっていくんです。やっぱり定番で広く愛されるであろう?友枝小制服になったわけです。
 原型は出来あがって、さて、キットとしてリリースするには複製せねば。たけぽんから参考にと業者ヌキの見積もりを見せてもらうと・・・・おったまげ!払った原型代より遥かに高い。これはもう自分でやるしかない。複製には、色々試行錯誤しました。 初期の複製では作業効率をあまり考えておらず、パーツ毎の小さい型をたくさん作る方法だったので、1体分のパーツを揃えるのに何時間分もかかり、おまけに当日までロクに時間が無いという二重苦を味わいました。その後、ワンダちゃんリセットちゃんから大きな型を作る方向へ行きましたが、液体の流れの読みがなかなか難しく、おまけに構造上どうしても途中でえぐれて切れる個所が出てきて、そのたびに補修し、結局再度でかい型を作りなおすハメになったりして、制服さくらは型だけでも、トータル20kg以上のシリコンは使ってしまったと思います。それ故に、制服さくらはしばらく型を作りたくないというのがホンネです。複製を前提に原型のモールドかなり犠牲にしてくれてたりはするんですが、やっぱりアッシにはキビしぃです。今回冬ワンフェスは秘蔵バックストック2個でおしまい。ヌキません。型は死んでますし。それに・・・・・・・・・
          原型もまた一部壊してしまいましたし・・・・・

 型についてはこのぐらいにして、キャスト流しの段階でも、初期は圧着が上手くいかず、足でシリコン型を押さえたりしてましたが、これではとても不安定。人類の進化と同じく、「道具」というもの使うようになります。まずは輪ゴム、これは一部メリコミが生じ、対策としてゴムバンドに進化。しかし型のカドを強烈に圧迫するためこれも対策。VHSテープにはさんでからゴムバンド。しかしこれでは大きさがたりない型もあり、知る人ぞ知る3/4テープを投入。無論ゴムバンドは届きませんし、もともと圧着圧も均等にならないので、その後は「クランプ」を使用してます無論四つ。やっぱり「さくら」なんだなぁ(笑)と思ったり.....
 段取りが悪いと手許が狂って床にキャストをぶちまけたり、おまけに当初はノンキシレンが高くてキシレンタイプを使っていたので、実に臭い日々でした。
イベント間際に夜通しこの作業をやっていると、「全然腹が空かない。」現象が起こる。これはキシレンの影響なのでしょう。体の弱い方にはとてもオススメ出来ない作業ですね。最近はノンキシレンなので、以前よりは幾分マシです。(それでも3割〜4割位は食欲減退)
 いずれにせよ、版権落ちて空振りしていた分の出展費やら、余分に消費している材料費。その他もろもろの経費を考えると、モロ赤字です。しかも型は2種類あったりします。<両方死亡>

 途中から、ほっすぅいとこぉずぅいも参加するようになったので、イベントの卓代だけは、少し自己負担が減りました。りざあ堂の会費(2000円/月)とは、イベントにかかる経費を頭割りしているだけなので、日頃の運営費というのは無く、各自が自己負担。

ううむ、これじゃいつまで続けられる事やら......


平成17年2月9日 すぎやん記